朝、目が覚める。寒くない。背中も痛くない。段ボールの山もなく、代わりに机やいすがある。
起き上がる。手にはバネが反発する感覚。そう、ベッドで寝られるようになったのだ。
引っ越しが終わった。
終わった。
終わったぞ!!!!!
たくさんの応援、心配のお言葉、本当にありがとうございました。物を捨て、捨て、捨て、詰め、詰め、埃だらけの旧居から運び出される荷物たちにじっとりとした視線を送り、比較すればかなりきれいな新居に運び込まれる雑多な荷物たちをぼんやり眺め、開き、開き、出し、詰め、また捨てて、やっと新居での生活も落ち着いてきた。
引っ越しの後、ゆっくりご飯が作れることが何よりの喜びであった。引っ越しが近くなってからは冷蔵庫を空にすべく生ものを買えなかったので、好きな料理を作ることもできなかった。
じゃがいも・玉ねぎ・キノコを煮詰めて作った肉じゃがは本当においしかったし、安心した。
また、机があるので心行くままに書きものができる。買いなおしたMD万年筆はやはり抜群の書き心地だし、ブルーグレーのさびた感じの青は私の身の丈にぴったり合う気がする。
本業の方向性も定まってきて、みちのくコミティアの準備も進め始めている。私の春が、始まりつつある。春は必ず体調を崩すので、ゆっくりゆっくり休みつつやっていきたい。
今は夕食後は基本的にTOAオンリーイベントの展示イラストの準備をしているのだが、昨日はいろいろがひと段落して疲弊していたので漫画を読んでいた。
水城せとな『窮鼠はチーズの夢を見る オールインワンエディション (フラワーコミックスα) Kindle版』
前々から気になってはいたのだが、キンドル版にバージョン違いがありすぎてどれを買ったらいいのかわからず、手が出ずにいた。寝言でぼやいていたら「オールインワンエディションで全部読めますよ」と教えてもらい、購入した次第である。
めっちゃ面白い!!!!!!!事前情報が「主人公がふらふらしててどんどん不倫する」という雲行きが怪しいものだったのでどんなもんなんだろうと思って読んでみたが、すごくよかった!
確かに主人公はふらふらしていてどんどん不倫してしまうのだが、それによって「不完全な人間である」ということが強調され、不完全な他者に垣間見える自分に欠落しているものをみて相手にどうしようもなく惹かれてしまう、という様子が描かれており、もしかしたら人間同士のコミュニケーションってそういうことが多いのかもなあ、と思った。
主人公恭一と、恭一に片思いする今ヶ瀬はお互いがお互いをめちゃくちゃ最悪な気分にさせるし、お互いに対してめちゃくちゃ最悪な気分になるのだが、それでもなお、離れがたい、という祈りがあり、不完全なもの同士の摩擦まみれのコミュニケーションが私にはひどく誠実に映った。
恋とか愛とかに対しては未だ懐疑的であるのだが、その根本が、望ましいもの、素晴らしいもの、お互いを高め合うものというビジョンに対するものであるという部分がある。相手に対して愛おしいと思うより最悪な気分になっちまうぜほんと…という部分が描かれているこの作品はすごく私の肌感に会っているし、BLの別れ話が大大大好きなので単純に萌える作品であった。
一次BL作品読んでみたいな~という方がいらっしゃったらもしよければ読んでみてください。
月いちネットプリント2月号の配信がそろそろ終わります。
内容:エッセイと短歌6首
- ユーザー番号: AAPTQ27RQ6
- 登録名: 230219.pdf
- 有効期限: 2023/03/21 19時頃
インターネットアーカイブの予定はありません。
ご興味ある方いれば印刷してみてください。近日三月分を登録します!
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