水鏡希人『君のための物語』を中古で買った。

 なんだか最近は昔好きだったものをどうにか手に入れようと頑張る時期のようだ。この本を中古で買った理由は明白で、中古で買う以外に方法がなかったからである。

 昔表紙につられて読んで、結構好きだった記憶がある。学校の図書室にあって、読み終わったにもかかわらず何度か繰り返し借りていた。大昔に読んだので内容はおぼろげだが、語り手ともう一人の謎の何物かの関係がセクシーでよかった気がする。多分自由帳にへたくそなファンアートを書くくらいにはハマっていた。

 次回作が出るのを結構わくわくと待っていて、『そして、誰もが嘘をつく』は実家にある。

 その後もふんわり、まあ望むのであれば『君のための物語』のようなテイストのものが出ないかな~と思っていて、数年前ふと調べたらなんと2011年発行の『そして、誰もが嘘をつく』を最新に、活動を停止しているようだった。

のろのろと調べたところなんだかいろいろあったらしく、少し悲しかった。そんなことが数年前にあって、当時はその悲しさで本を手に入れるどころではなかったのだが、なんかもう、本当にこの本が再販されることはないのだろうなと思うときちんと手に入れておかねばならないような気がした。

好きな作家である紅玉いづきがモデルになっているキャラクターがいるという噂を聞いて、これまた数年前に相沢沙呼『小説の神様』を読んだ。それを読む限り、まあ、すべてがその小説通りということはないかもしれないが、小説家として存続し続けるというのはなかなか難しいことなのかもしれないと思う。わたしが見ているのは、数少ない、そしてこれからも存続できるかどうかはわからない「今のところ成功中」のものなのだ。

作者の水鏡希人のことをふんわり考えるときがたまにある。届くまで再読できないから内容は本当におぼろげだけれども、あの物語はわたしのための物語でもあったように思う。

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家にある本を読む

三月初めから三日前くらいまで、だいぶ精神が悪かったので、意識してインターネットから離れていた。スマートホンからディスコードを初めてとしたSNSアプリをアンインストールし、暇になったら本を読んで過ごしていた。

読んでいたのはこの三つ。

上二つはエンタメ小説的なものだ。高校を卒業してからあんまり読みつけないジャンルだったけど、おもしろかった。目的と体調によるが、雑多な人間の短文をただ眺めて時間を潰すのと、プロのエンタメを読むのは種類が異なる時間だなと思った。人の感情に引っ張られやすいときは思い切りエンタメを楽しむのがいいのかもしれない。

エンタメ小説はただ楽しい!面白い!だけではなく、その前に「ぐぬぬ……」となるシーンがある。ストレスがあったうえでのすっきり面白い!なので、感情のふり幅的にはSNSと大体同じである。楽しさにはある程度の不快感がつきものなのかもしれないと思った。

『わたし、定時で帰ります』はかなり良くできている話だった。タイトルからは定時で帰りたい主人公VSそれを決して許さない会社というようなものを想像していたのだが、会社も一枚岩ではなく、そして主人公の心情も多層的で、なかなか面白かった。ストレスターンが本当にストレスなので、読むなら一気に読んだ方がいい。

『元彼の遺言状』は主人公がぶっ飛んでいて、時折モノローグで挟まれる「私はこういう人間なのだが……」というぶっ飛び自己紹介が面白い。ミステリ的には普通だが、まあ楽しめた。

上の二つを読んで小説を読む体力がついてきたので、途中まで読んで積んでいた『クララとお日さま』を再開した。カズオイシグロは学生の頃に『日の名残り』の原書を読む講義があって以来である。原書がどうにも難しく、私は翻訳版を購入してカンニングしながら講義に参加していた。小難しい話でとても私にはエンタメ感覚で楽しめるものではなかったのだが、内容が3/4に差し掛かってきたあたりで作品に対する向き合い方がわかってきて、『日の名残り』自体はかなり好きになった。

『クララとお日さま』も同様に、後半をしばらく過ぎたあたりでやっと読み方がわかってくるものだった。難しいけどどこか嬉しさがあり、理解したとはいいがたいが妙な共感がある作品だった。

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また今日もパン生地をセットした

なんにもできてない日の夕方、パン生地をセットする。材料を混ぜてラップをかけてしばらく放置し、ガス抜きをしてまたラップをかける。そのうえで冷蔵庫に入れて一晩また放置して、次の日の朝成形と二次発酵をして焼き上げる。

今日は朝から小説を書こうと思ったのだが、500字弱書いたあたりで強烈な眠気がやってきて、15時まで寝てしまった。特に怠かったりしたわけではないのだが、まあたまには惰眠をむさぼらなければやってられない。

小麦は前回使っていたテリア特号がなくなったので、新しくスペルト小麦というものを買ってみた。

富澤商店は数ある強力粉の味と触感の目安を図に示したカードを店舗で配布しており、毎回それを参考にしながら買っている。横軸が「あっさり⇔リッチ」、縦軸が「ふわふわ⇔もっちり」となっている四象限マトリクス図であり、私は第四象限の「リッチ、もっちり」に属している粉を基本的に買っている。スペルト小麦はこれまで買っていたルスティカやテリア特号よりはもっちりではないが、リッチ度合いが群を抜いていたので試しにこれにしてみることにする。

この本でしばらくバゲットだけを作ってみたのだが、本の後ろの方のページにあった「ねじねじパン」を最近作ってみている。材料は一緒で成形の仕方しか違わないのだが、なんだかこっちのほうが柔らかいような気がする。バゲットは最近焼きすぎなのか、スカスカしているような感じがあるのだ。

ねじねじパンとそれを見つめる犬のぬいぐるみ

今日のパンはレシピママに作ったが、最近作った二個はライ麦粉とクミンシードを混ぜて作っている。写真のもその作り方だ。カレー粉を混ぜてないけどカレーのような風味がして面白い。おいしいのでお勧めである。

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kindleビームコミックスセールで漫画を買った。

ビームコミックスの対象の漫画が一冊99円と破格だったので、気になる漫画を買った。ビームコミックスセールはこちら

これまで漫画を試しに読んでみるのにはTSUTAYAを利用していたのだが、所属自治体のTSUTAYAがどんどん貸し出しをやめていくのでこういうセールであさるのもありかと思い、やってみる。

上段を占める伊図透はふと見かけて絵柄が良かったので、SFじゃなさそうなものの作品を買ってみた。

下段左の『コーヒーもう一杯』はタイトルが良かったのでちょっと試し読みをして、まあよさそうだということで買った。

『ロスト・ラッド・ロンドン』は前から気になっていたが私は想像力を要する漫画が苦手なので買いあぐねており、今回やっと機会が来たという体感である。想像力なんて全部の作品に必要なのだが、自分と遠い環境のものに対する苦手意識は強い。SFやファンタジー、外国、サラリーマンや学校以外の舞台の漫画にチャレンジするのがなかなか難しいのである。だから伊図透も有名なのはSF作品だったがそれを避けている。だんだん読めていくといいのだが。

他にはラヴクラフト作品のコミカライズが割とセールになってたので99円のものはすべて買った。ちょっとずつ読んでいけるといい。

確か一月あたりにキンドルがまとめ買いセールをやっていたり、『これ描いて死ね』が半額ポイントキャッシュバックをやっていたりしたのでいろいろ買ってみた。知らない作品で特に面白かったのは『夏・ユートピアノ』である。おすすめ。

そういえば今日鬼畜眼鏡が届くらしい。

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鬼畜眼鏡を注文した

鬼畜眼鏡を注文した。今のPCにはDVDドライブがないというのに。

大昔のアダルトBLゲーを注文したという話ですが、まだ注文しただけで届いてないのでネタバレもなければアダルト要素もありません。そして私は調べ方をミスって女性向けアイテム専用販売サイトで購入してしまいましたがamazonでも売ってたのでこれで欲しくなる人でアマゾンのほうが送料が安い人はそっちで買ったほうがいいと思います。

無法地帯インターネットに生きるエロキッズの時代の思い出話です。